新型肺炎、習氏の春訪日に影響か SARS終息は8カ月要す
中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の拡大は、春に予定する習近平国家主席の国賓来日に影響する可能性がある。日中両政府は4月上旬で調整しているが、大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)時は、発生から終息宣言まで約8カ月を要した。今回の新型肺炎が4月までに沈静化するかは予断を許さず、今後の推移によっては難しい判断を迫られそうだ。
安倍晋三首相は1月30日の参院予算委員会で、習氏の国賓来日に関し、「世界的な責任を果たす意思を示す機会だ」と強調した。外務省幹部は「(来日方針は)揺らいでいない」と話す。
だが、昨年12月に発生が確認された中国国内の新型肺炎の感染者は既に、SARS時の全世界の感染者数とされる8096人を上回るなど急速に増加中。SARSは2002年11月の発生から03年7月の世界保健機関(WHO)の終息宣言が出るまで約8カ月かかっている。今回、4月までの残り2カ月では中国だけでなく、日本国内でも状況が改善する見通しは立ちそうにない。
そもそも、習氏の国賓来日には自民党を中心に慎重論が根強くある。保守派の国会議員の一部は、中国公船による領海侵入や香港情勢などに対し、中国政府に明確な対応を求めるよう日本政府に要請している。
政府内では「中国はこんな時に外国に行っている場合ではないという世論になるのではないか」との声もある。自民党関係者は「党内の反発もあり、首相官邸は新型肺炎を理由に来ないでくれた方がいいというのが本音だ」との見方を示した。(2020/02/02-08:58)
Virus Casting Shadow on Xi's Planned Visit to Japan
The spread of a new coronavirus may affect a state visit to Japan by Chinese President Xi Jinping, expected to take place in early April, as it is uncertain when the outbreak will end.
At a parliamentary meeting on Thursday, Japanese Prime Minister Shinzo Abe said Xi's visit will be an opportunity to show the two countries' determination to fulfill their global responsibility.
The plan to invite Xi to Japan "remains unchanged," a senior Foreign Ministry official said.
But the virus is spreading fast. After it emerged in China last month, the number of cases there has already surpassed the 8,096 global cases from severe acute respiratory syndrome, or SARS.
The SARS crisis began in November 2002 and took eight months to wind down. It is unlikely for the coronavirus outbreak to subside by April.
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