2023.06.10 14:09Business

アルツハイマー新薬、正式承認を エーザイの「レカネマブ」―米FDA諮問委

 【ニューヨーク時事】米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は9日、日本の製薬大手エーザイと米医薬品大手バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を正式承認するよう全会一致で勧告した。これを受け、7月6日までにFDAが可否を判断する予定。正式承認されれば、公的医療保険の適用範囲が広がり、普及に弾みがつきそうだ。
 レカネマブは、脳内に蓄積してアルツハイマー病の原因になるとみられるタンパク質を取り除くことで、病状の進行を抑える効果が指摘されている。これまでは症状を一時的に和らげる薬が大半で、根本原因とされる物質に働き掛ける新薬への期待は大きい。
 同薬は今年1月にFDAの迅速承認を受け、世界で初めて米国で使用が認められた。ただ、公的医療保険の適用は一定条件を満たした臨床試験(治験)参加者に制限され、一般の患者にまで拡大するには正式承認が必要。エーザイは価格を患者1人当たり年間2万6500ドル(約370万円)に設定しており、普及には保険による負担軽減がカギを握る。
 FDAは9日に開かれた外部専門家による諮問委に対し、レカネマブは初期段階のアルツハイマー病患者の病状進行を27%抑制したと説明。「統計的に有意な治療効果が認められた」と指摘した。諮問委は採決で、6人の委員全員が正式承認に賛成した。
 諮問委による勧告はFDAの最終判断を拘束しないものの、大きく影響する。夫が認知症でレカネマブの治験に参加したという女性は諮問委で「病状の進行を遅らせることができるレカネマブはアルツハイマーと闘う上で大きな一歩だ」と正式承認に強い期待を示した。(2023/06/10-14:09)

2023.06.10 14:09Business

U.S. Panel Recommends Full Approval of Eisai Alzheimer's Drug


An advisory panel of the U.S. Federal Food and Drug Administration on Friday unanimously recommended full approval of lecanemab, an Alzheimer's disease treatment jointly developed by Japanese drugmaker Eisai Co. and U.S. partner Biogen Inc.
   All six experts on the panel voted in favor of lecanemab's full approval. The FDA is expected to make a decision by July 6 on whether to grant full approval.

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