「王道と異端」両輪で 大名跡「團十郎」継ぐ市川海老蔵さん
今秋、江戸歌舞伎の大名跡「市川團十郎」を十三代目として襲名する市川海老蔵さん(44)。11月からの襲名披露公演を控え、報道各社の取材に応じた。「團十郎に必要なのは革新を忘れない姿勢。王道でありながら、異端でもあり続ける」と決意を語った。
荒々しく豪快な演出様式「荒事」を創始した初代(1660~1704年)に始まる團十郎家。江戸時代から300年以上にわたり、歴代團十郎が伝統の継承と芸の革新に取り組み、歌舞伎界をけん引してきた。
その最高峰とされる名跡を、2013年に亡くなった父の十二代目から9年ぶりに受け継ぐ。心情を問われると「気負いはない。名前が変わるだけで自分は変わらない。甘えるつもりもない」と淡々。團十郎家に生まれた「運命」と受け止める。
「襲名は、ある意味お祭り」とも話す。「歌舞伎を盛り上げる気持ちはみんな同じ。私も先輩や同輩、後輩が襲名する時にはみこしを担ぐ側になる。おのおのに感謝しながら勤めたい」
04年に26歳で十一代目海老蔵を襲名。オペラ歌手と共演するなど、型にはまらない歌舞伎表現の開拓に取り組んできた。一方で、その奔放な言動が賛否を呼ぶことも。父の團十郎さんや妻の小林麻央さんとの別れもあった。「人としての厚みを得るいろいろな体験をした。大いに海老蔵を生きたと思う」と振り返る。
長男の堀越勸玄君(9)も同時に、八代目市川新之助として初舞台を踏む。勸玄君にとって「(披露演目の)『毛抜』も『外郎売』も重い役。挑戦する心意気をみてほしい」と、父としての思いものぞかせた。(2022/10/01-08:25)
Ebizo Determined ahead of Assuming Name of Ichikawa Danjuro
Kabuki actor Ichikawa Ebizo XI has spoken about his determination ahead of his succession to Ichikawa Danjuro XIII, the most prestigious stage name in the world of the classical Japanese performing art, this autumn.
"What is required for Danjuro is a stance of not forgetting innovations," the 44-year-old kabuki star told reporters. "I will continue to be a maverick while taking the royal road." Performances to make known his succession to the name of Danjuro are scheduled to be held in November and December.
Ichikawa Danjuro I (1660-1704) invented a wild and dynamic style of kabuki performances, and his successors inherited the tradition while trying to innovate performances. They led the world of kabuki for over 300 years.
Ebizo is set to assume the name of Danjuro nine years after his father, Ichikawa Danjuro XII, died in 2013.
Ebizo said: "I'm not feeling overly responsible. My (stage) name will change, but I'm not going to change. Nor am I going to spoil myself."
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