イラン情勢緊迫化に警戒 五輪効果に期待―企業トップ
経団連など経済3団体や業界団体の新年祝賀会が7日、東京都内で開かれた。企業トップは今年の国内経済について、夏に迫った東京五輪・パラリンピック大会の効果などで回復基調をたどると指摘。ただ、新たなリスクとして浮上したイラン情勢の緊迫化を警戒する声も多く聞かれた。
第一生命ホールディングスの稲垣精二社長は、国内景気に関し「政府の経済対策や五輪効果で力強く拡大するだろう」と語った。三井不動産の岩沙弘道会長も「五輪開催が近づくにつれ、前向きな気持ちとなり、消費が動き始める」と指摘。岩沙氏は大会後に景気が失速するとの観測について「五輪を通じて日本への関心が高まり、さらなる訪日客を呼び込む」と否定的な見方を示した。
百貨店大手J.フロントリテイリングの山本良一社長は「今年をピークにせず、世界中のお客さまに何度も来てもらい売り上げを伸ばしたい」と五輪をきっかけにインバウンド需要に一段と弾みがつくことへの期待を語った。海外経済をめぐっては「今年は米大統領選があり、(トランプ大統領が)大きな関税政策を打つことはないだろう」(車谷暢昭東芝会長)と、米中貿易摩擦が落ち着きを取り戻すとの予想が聞かれた。
だが、新たな不確定要因として、トップらが警戒感を示したのがイラン情勢のさらなる悪化だ。「タンカー運賃や保険料、石油価格などが上がり、景気を冷やす可能性がある」(清水喜彦SMBC日興証券社長)との指摘や、「金融・為替市場に与えるリスクの大きさがより強く懸念される」(清水博日本生命保険社長)といった発言もあった。
資生堂の魚谷雅彦社長は「米中摩擦や英国の欧州連合離脱などにイラン情勢が加わり、年明けから非常に不安だ」と今後の展開に神経をとがらせていた。(2020/01/07-21:18)
Biz Leaders Upbeat on Japan Economy, Cautious on Iran Tensions
Japanese business leaders at a New Year celebration event on Tuesday sounded upbeat on the domestic economy in 2020 thanks partly to the Tokyo Olympics and Paralympics this summer while expressing caution over the situation in Iran as a new source of risk.
"The Japanese economy will expand powerfully on the back of the government's economic stimulus measures and the effects of the Olympics and Paralympics," Dai-ichi Life Holdings Inc. President Seiji Inagaki said.
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