日野自エンジン不正、全機種に拡大 小型トラックでも発覚、出荷停止―最大で93万台
日野自動車によるエンジンの排出ガスや燃費のデータ改ざんをめぐり、同社は22日、小型トラック向けで新たな不正が判明し、同日付で主力の小型トラック「日野デュトロ」の出荷を停止したと発表した。不正は同社が現在生産するすべてのエンジン機種に拡大。大半の車種が国内での販売を停止する異例の事態となり、同社の業績に加え、取引先への打撃が避けられない。
不正の対象となったエンジンの搭載台数は、具体的な機種が判明している2009年以降で約56万台から約64万台に拡大。同社の特別調査委員会が認定した03年以降の不正対象(機種未確認)も含めると最大86万台から最大93万台に拡大した。
小木曽聡社長は同日午後、オンラインで記者会見し、「追加の不正が判明したことは大変重大かつ深刻で弁解の余地がない。改めて深くおわび申し上げる」と陳謝。経営責任について「厳正に対処したい」との考えを改めて示した。新たな不正発覚で進退問題に発展する可能性もある。
親会社トヨタ自動車の豊田章男社長は「極めて残念。信頼に足る企業として生まれ変われるのか注視したい」とのコメントを発表した。
「日野デュトロ」は累計販売台数約7万6000台。国土交通省の立ち入り検査の中で、本来2回以上行う必要がある排出ガス測定を1回しか実施していなかったケースがあった。日野自は、環境性能として規制値を超過する可能性は認められていないと説明している。
小木曽社長は会見で、トヨタ製エンジンを搭載した小型トラックや海外向けなどを除き、国内生産の約6割、国内販売の99%が停止するとの見通しを示し、「(業績に)非常に大きな影響になる」と語った。
トヨタは同日、不正が判明した日野自製エンジンを搭載するトラック「ダイナ」の出荷停止を発表した。長田准執行役員はオンラインで取材に応じ、「日野自の再建は日野自が考えるのが大前提」と強調。「まずは世間から信頼してもらうことが先」と述べ、資金支援には言及しなかった。
日野自の不正は3月に発覚。今月2日には、不正が少なくとも03年から行われ、国交省に虚偽の報告をしていたことも判明した。(2022/08/22-20:43)
Hino Motors Reveals Another Case of Data Tampering
Hino Motors Ltd. said Monday that it has found an additional case of engine data tampering, following the revelations of falsification of engine emission and fuel efficiency test data on large trucks.
The Japanese truck maker will newly suspend shipments of its flagship Hino Dutro small truck. The company's engine data fraud unfolded to include most of its vehicles sold in Japan.
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