IT啓発へ「伝道者」活用 社内外に分かりやすく発信―日立など
日立製作所など国内企業が、自社のIT事業を普及・啓発する専門人材「エバンジェリスト」(伝道者)を相次いで起用している。専門分化するIT分野の技術的な知識を社内外に分かりやすく伝え、サービス・製品の価値を浸透させるのが任務だ。米IT企業が先行したとされるが、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応が急務の日本企業も活用を本格化させている。
日立は昨年、IoT(モノのインターネット)基盤「ルマーダ」の考え方を伝えるエバンジェリストとして、元日本マイクロソフト業務執行役員の澤円氏を迎え入れた。ルマーダは、データを活用して顧客の課題解決を目指す日立の成長戦略の中核だが、抽象的で分かりづらいとの声もある。
そこで白羽の矢を立てたのが、IT業界で「プレゼンテーションの神様」の異名を取る澤氏だ。澤氏はさまざまな講演活動に加え、顧客とのミーティングにも同席し理解促進をサポート。グループ約37万人の従業員に対しても、会社が目指す方向性などを説いて回り、浸透を目指している。
澤氏は自らの役割を「伝言ゲームの先頭」と位置付け、「究極的に自分が用無しになるのが一番」と強調。平易な言葉で、ルマーダとITに関する発信を続ける。
国内の大企業では、富士通やNTTコミュニケーションズなどもエバンジェリストを活用している。勤怠管理システムを展開するチームスピリットでエバンジェリストを務める荻島将平氏は、デジタル化の進展を背景に「業務とITの知識を融合して分かりやすく語ることができる人材が必要」と指摘する。
サービス利用者にエバンジェリストの活動を担ってもらう動きもある。フリーマーケットアプリ大手メルカリの小規模事業者向け店舗開設サービス「メルカリShops(ショップス)」では、公募で7人のユーザーを「コミュニティエバンジェリスト」に認定。店舗運営のコツを発信してもらうなど他のユーザーの先導役を託した。
同社子会社でメルカリShopsを運営するソウゾウ(東京)の久間美咲コミュニティマネージャーは「普通の人でもショップ運営に挑戦し、成功できるということを伝えたい」と話している。(2022/08/21-07:05)
Japan Firms Turning to "Evangelists" to Boost IT Understanding
Japanese corporations are increasingly employing "evangelists" to promote and increase understanding about their information technology operations.
Firms including Hitachi Ltd. are hoping that such personnel can help communicate the technological knowledge of the IT field that is becoming ever more specialized in an easy-to-understand manner to both company staff and the public, in order to spread understanding of the value of their services and products.
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