突出した才能の子に学習支援　授業中の苦痛や孤立解消―文科省

　文部科学省は、数学や語学など特定分野で突出した才能を持つ児童生徒について、学校での学習支援に初めて乗り出す。教室外で高度な教育を受けられるようにして、通常の授業では易し過ぎて苦痛を感じたり孤立したりする子の才能を伸ばす。２０２３年度予算概算要求に支援事業費を盛り込むことを検討している。
　文科省はこれまで、才能ある子どもへの支援として「ジュニアドクター育成塾」などの事業を実施。人材発掘と育成に主眼を置き、週末に大学や企業で開催してきた。
　一方、授業では「教科書の内容は全て理解しており、暇を持て余していた」「発言すると雰囲気を壊すので、分からないふりをしていた」「変わっている子扱いされる」といった経験をする子も多いという。教師の指導方針が合わず、不登校になるケースもある。そこで今回始める支援では、学校生活を送る上での困難を解決することを重視する。
　支援の内容は、特定の教科だけ別室で高度なオンライン教育を行ったり、大学やＮＰＯなどで指導を受けられるようにしたりすることが想定される。教室外での学習を出席日数や成績にどう反映させるか、連携できる機関を地方都市でどう確保するかといった課題への対応策を今後詰める。
　概算要求に盛り込む事業としては、モデル校に助成して支援ノウハウを蓄積することが考えられる。先進事例集を作る案も浮上している。
　文科省は、今回の支援をエリート教育とは位置付けていない。対象となる子は知能指数（ＩＱ）で選抜せず、教師からの推薦などで柔軟に選ぶ方針だ。天才児を表す「ギフテッド」という言葉も使わず、「特定分野に特異な才能のある児童生徒」と表現することにしている。（2022/06/02-14:46）

Japan's education ministry plans to start offering learning support at schools for students who have outstanding talents in specific fields, such as mathematics and languages.
   The support program is aimed at allowing such students, who sometimes feel uncomfortable and get isolated at schools as regular classes are too easy for them, to receive advanced education outside the classroom.
   The ministry is considering earmarking related costs in its budget request for fiscal 2023 starting in April next year.
   In order to support children with talents, the ministry has already been running programs such as one for allowing elementary and junior high school students with strong interest and talents in the field of science and technology to study further on weekends at universities and companies.
   While the existing programs are intended to find and develop students' talents, the upcoming program focuses on resolving difficulties talented students face at schools, the first such initiative to be implemented by the ministry.