2022.04.27 21:57Nation

出港判断「最終的に私」 「申し訳ない」謝罪―知床観光船事故で社長会見

 北海道・知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が遭難した事故で、運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)の桂田精一社長(58)が27日、同町で記者会見した。桂田社長は事故当日の出港について「最終的な判断は私がした」と認め、「被害者の家族に負担を掛け、申し訳ございません」と謝罪した。23日の発生後、社長が公の場で事故に関して説明したのは初めて。
 桂田社長によると、出港の判断基準について「波が1メートル以上、風速8メートル以上で欠航。視界が300メートル以上ないと出港できない」と説明。当日は強風、波浪注意報が出ており、社長も確認していたが、「船長と打ち合わせをし、海が荒れるなら引き返す条件で(出港を)決定した」という。
 天候の悪化が見込まれたのは午後からだとし、「天気予報を見ても問題はなかった」と釈明。その上で出港を決めたが、「今となっては判断的に間違ったと感じている」と述べた。
 カズワンとの交信に必要な事務所の無線アンテナが壊れていたが、桂田社長は事故当日に指摘を受けて初めて知ったとし、衛星電話の故障も把握していなかったという。「携帯電話や他の運航会社の無線でのやりとりが可能」と判断しており、「(安全管理は)行き届いていなかったと思う」と話した。
 消息が途絶える直前、カズワンからは「船首が浸水し、エンジンが使えない」と救助要請があった。カズワンは昨年起こした座礁事故で船首が破損していたが、「造船会社に直してもらい、その後検査を受け合格した。海上保安庁の船体検査でも指摘はなかった」と影響を否定した。
 安全面より経営を優先させたのではないかとの質問には、「会社の収益は常に考えているが、そのために無理に出港させたことはない」と強調。事故の原因について「私の至らなさだと感じている」と謝罪した。
 桂田社長は24日と25日に1回ずつ、海保などによる家族への説明に同席した。しかし、事故状況に関する詳しい説明がないとして、家族から不満が出ており、「私一人の力ではうまく対応できなかった」と釈明した。(2022/04/27-21:57)

2022.04.27 21:57Nation

Hokkaido Company Head OK'd Boat Departure before Accident


The head of sightseeing tour boat operator Shiretoko Yuransen said Wednesday that he decided the departure of the ship that went missing off the Shiretoko Peninsula in Hokkaido on Saturday.
   At a press conference in the town of Shari on the peninsula, a popular tourist destination in the northernmost prefecture, the company's head, Seiichi Katsurada, expressed his apologies to the victims of the accident and their family members.
   "We're very sorry for putting burdens (on you)," he said. His company operated the Kazu I tour boat, which is believed to have sunk.
   Katsurada said he talked with the captain of the boat before its departure and decided to carry out the tour on condition that the ship returned to the port if the sea became rough.
   It was the first time for Katsurada to explain the accident in public since the boat carrying 26 people including crew members disappeared on Saturday. Eleven of them have so far been found and confirmed dead.

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