2021.11.08 13:30Nation

元受刑者の社会復帰支援 就労、住居…寄り添い見守る―弁護士会が費用負担

 罪に問われて服役した元受刑者らの社会復帰を弁護士が1対1で支援する「寄り添い弁護士制度」の導入が広がっている。出所後の就労などを援助する制度で、弁護士会が費用を負担する。2016年に兵庫県、19年に愛知県で開始。今月中旬には札幌弁護士会でも始まり、他県でも導入が検討されている。
 法務省の犯罪白書(20年版)によると、検挙者に占める再犯者の割合は48.8%で、出所後の支援体制などが課題となっている。寄り添い制度は、起訴や服役の有無にかかわらず、逮捕や送検された人が対象。本人や矯正施設などからの要請で、弁護士が出所後の就労や住居確保を支援する。生活保護申請への同行なども行い、薬物使用者には病院も紹介する。
 1対1の支援が基本だが、複数の弁護士が対応することもある。弁護士には費用や報酬として、弁護士会などから対象者1人当たり最大15万円が支給される。
 全国で初めて同制度を作った兵庫県弁護士会の松本隆行弁護士は「社会復帰支援は大切な取り組みだが、個々の弁護士がボランティアで活動していた。費用や報酬を支払える制度を設けたかった」と創設の経緯を語る。
 愛知県弁護士会では、これまでに計約150件の支援が実現。支援を受けた元受刑者からは「不安だったが、付き添ってくれて助かった」などの声が寄せられたという。
 札幌弁護士会でも無償で活動していた弁護士から導入を求める声が上がっていた。道内の矯正施設を指導監督する札幌矯正管区の三尾浩一更生支援企画課長は「道や関係機関の支援だけでは手の届かない部分もあった。弁護士の協力でより広い支援が可能になる」と期待する。
 同弁護士会の高野俊太郎弁護士も「罪を犯した本人も周囲の人も安心して暮らせる社会に向けて、制度が全国で広がっていけば」と意気込む。(2021/11/08-13:30)

2021.11.08 13:30Nation

One-on-One Aid System for Ex-Offenders Growing in Japan


An increasing number of local bar associations in Japan have introduced or are weighing up a system under which lawyers provide one-on-one assistance to former offenders, such as in finding jobs, to help them reintegrate into society.
   The system, financed by bar associations, was introduced in Hyogo Prefecture, western Japan, in 2016, and Aichi Prefecture, central Japan, in 2019. A bar association in Sapporo in the northernmost Japan prefecture of Hokkaido will adopt it in mid-November, while use of the system is being considered in other prefectures.
   The recidivism rate among those accused of offenses stood at 48.8 pct, according to the Justice Ministry's 2020 white paper on crimes.
   The support system covers people who have been arrested or sent to prosecutors, regardless of whether they have been indicted or served prison terms.
   At the request of the former offenders or correctional facilities, local bar associations help such people find jobs and secure places to live.

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