自民、細田派「１強」維持　第２派閥争い激化

　衆院選で引退・落選者が出たことに伴い、自民党７派閥の規模はいずれも縮小した。ただ、勢力図に大きな変化はなく、９減の細田派は最大派閥を維持。今後は、４０人台の麻生、旧竹下、岸田各派と、１０減で３７人の二階派を加えた４派の新人取り込みによる第２派閥争いが激化しそうだ。一方、会長の石原伸晃元幹事長が落選した石原派は、派の存続を含め近く対応を協議する。
　細田派は衆院解散時の９５人から、参院補選の当選者１人を含め８７人となった。選挙基盤が弱い若手が多く、大幅減も予想されたが踏みとどまった。会長の細田博之元幹事長が衆院議長に就く方向で、後任に同派出身の安倍晋三元首相が取り沙汰されている。無派閥の高市早苗政調会長も再入会の可能性がある。関係者によると、新人３人が加入する見通し。
　旧竹下派は７減の４６人。３人減って４９人の麻生派が現時点では第２派閥。岸田文雄首相（党総裁）率いる岸田派は５減の４１人だ。旧竹下派は茂木敏充会長代行が党幹事長に就任し、同派会長の座も狙う。党の資金と公認権を握る総裁、幹事長を擁する派閥は新人勧誘でも有利とされる。
　最も減らした二階派は、二階俊博会長が幹事長在任中と変わらず勢力拡大を進める。新人３人、元職２人の入会が既に内定した。５日付で入党した細野豪志元環境相も同派特別会員だ。
　石破派は３減の１２人で、退潮に歯止めがかからない。１５年９月に２０人で発足したが、山本有二元農林水産相ら休会・退会者が続出し、今回の衆院選では側近の鴨下一郎元環境相が引退した。退会の動きは今後も続く可能性がある。
　石原派は３減の７人。石原氏や前身の山崎派から所属してきた野田毅元自治相が落選した。所属議員が１桁となり、派内では派閥解消、他派閥への合流などを訴える声が出ている。

◇自民党派閥の勢力
　　　衆院解散時　　衆院選後
　細田派　９５人　　　８７人
　麻生派　５２人　　　４９人
旧竹下派　５３人　　　４６人
　岸田派　４６人　　　４１人
　二階派　４７人　　　３７人
　石破派　１５人　　　１２人
　石原派　１０人　　　　７人
。（2021/11/07-10:52）

The Liberal Democratic Party faction led by former Secretary-General Hiroyuki Hosoda remains the LDP's biggest intraparty group after the recent general election in Japan.
   All of the ruling party's seven factions saw their members decrease after some retired from politics and others lost seats in Sunday's election for the House of Representatives, the lower chamber of the Diet, the country's parliament.
   The Hosoda faction managed to limit the decrease resulting from the election to nine members despite bleak expectations by some LDP people.
   Meanwhile, former Secretary-General Nobuteru Ishihara's faction, smallest of the seven, is on the brink of dissolution because Ishihara lost a seat in the election.
   The Hosoda faction had 95 members at the time of the Oct. 14 Lower House dissolution. It now has 87 members, including one elected in a by-election for the House of Councillors, the upper chamber, on Oct. 24.