2021.10.30 13:35Nation

コロナ孤立、犬猫が癒やす 広がるアニマルセラピー―施設で共同生活、企業派遣も

 動物との触れ合いで癒やしを与える「アニマルセラピー」が広がっている。新型コロナウイルスの影響が長引く中、学生の孤独感を和らげようと大学でセラピー犬体験会が開催された。障害者施設では動物と暮らせる環境整備が進む。
 緊急事態宣言の解除を受け、対面授業が再開した昭和女子大キャンパス(東京都世田谷区)。生方愛美さん(22)は21日、セラピー犬「エイト」の背中を優しくなでながら「癒やされます」と顔をほころばせた。
 コロナ禍で生活は一変した。「4年生になると授業が減り、オンライン授業で友人とも会えなかった」。東北地方の実家に帰省できず、かわいがっていた猫と会えないのがつらかったという。
 相談室に孤立を深める学生の声が寄せられ、大学が体験会を企画。神奈川県藤沢市の「アニマルセラピーこころサポート協会」が派遣協力した。
 同協会代表の日下部久仁子さんによると、保護犬などを養成し、派遣先は企業にも広がる。働き手の「心の健康」の重要性が増す中、日下部さんは「うちには必要ないと言う企業こそ興味を持ってほしい」と話す。
 秋田市の障害者グループホーム「にゃおん秋田市さくら」。女性5人が1歳の猫「みいちゃん」と一緒に暮らす。寝顔を眺めたり、遊んだりして相好を崩し、施設管理者の田中竜二さんは「気持ちが和らぎ、だんらんの雰囲気ができる」と語る。
 施設を全国展開する「アニスピホールディングス」(東京都千代田区)は、3年前から保護犬や猫を引き取り、約600施設で一緒に生活できるようにした。みいちゃんも飼育放棄されていたところを動物愛護センターに保護された。藤田英明社長は「障害があっても動物と暮らせるのが普通になってほしい」と話す。
 公益社団法人「日本動物病院協会」(中央区)は1986年からセラピー犬などを派遣している。年1000回程度に上るが、担当者は「動物やボランティア不足から依頼を断らざるを得ないこともある」と明かす。
 こうした取り組みは殺処分の減少につながる可能性があり、環境省も注目する。来年度に実態調査などを検討しており、保護犬などの活躍の場が広がりそうだ。(2021/10/30-13:35)

2021.10.30 13:35Nation

Dogs, Cats Healing COVID-19 Loneliness in Japan


Animal therapy, designed to heal people through contacts with animals, is spreading in Japan amid the COVID-19 crisis.
   A university in Tokyo has hosted a session to introduce therapy dogs to students and alleviate their loneliness attributed to the prolonged novel coronavirus crisis, while facilities for disabled people are developing environments that allow residents to live with animals.
   On the campus of Showa Women's University in Tokyo's Setagaya Ward, in-person classes have resumed following the full lifting of the government's COVID-19 state of emergency at the end of September.
   "I feel at ease," Manami Ubukata, 22, said with a smile as she rubbed the back of Eito, a therapy dog, at a hands-on session with such animals on Oct. 21.
   Her university life has greatly changed following the spread of the virus.

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