「大役お疲れさま」ミライトワ　五輪マスコット制作の谷口さん

　東京五輪・パラリンピックの公式マスコット「ミライトワ」と「ソメイティ」は、無観客開催の影響で活躍の場面が限られたものの、さまざまな形で大会のＰＲに貢献した。制作者の谷口亮さん（４７）は「コロナ禍に振り回されながらも、裏方としてたくさん働いてくれた」と振り返り、大役を果たした「わが子」たちをねぎらった。
　イラストレーターの父の影響でキャラクター制作を始めた谷口さんだが、下積み時代はオリジナルキャラの手作りグッズやポストカードを路上販売していた時期もあった。「種はまかないと咲かない。とにかく何でもやってみよう」。そう考えて公募に送り出した二人のキャラクターは、厳しい事前審査を乗り越え、全国の小学生による投票で見事公式マスコットの座を射止めた。
　谷口さんは賞金１００万円と、両大会の開会式に出席する権利を手にした。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大でマスコットの活動は大幅に縮小。ミライトワの活躍を期待しながら国立競技場でのパフォーマンスに見入っていた谷口さんだったが、「最後まで出番がなく、『あれ、出ないんだ』とびっくりした」と苦笑する。
　ただ、コロナ禍でも競技ＰＲや選手との交流を続けるミライトワたちの姿が大会の公式ツイッターで発信されると、次第に「頑張っている」「けなげでかわいい」との声が高まった。両大会を締めくくる今月５日のパラリンピック閉会式では、二人がそろって会場を盛り上げるサプライズ演出があった。
　この日が自身の誕生日だったという谷口さんは、「ソメイティだけでなく、ミライトワも出られたのがうれしかった」と目を細め、「二人は過去の公式マスコットの中でも一番大変だったはず。本当にお疲れさまと言いたい」と語った。（2021/09/14-13:31）

The official mascots of this summer's Tokyo Olympics and Paralympics, Miraitowa and Someity, helped promote the Games although their activities were limited amid the coronavirus crisis.
   The mascots "worked hard behind the scenes though they were at the mercy of the pandemic," said Ryo Taniguchi, the 47-year-old designer of the mascots.
   Taniguchi began designing characters under the influence of his father, who was an illustrator. At the start of his career, Taniguchi sold on the streets handmade goods and postcards of characters he designed.
   Miraitowa, the Olympics mascot featuring an indigo blue checkered pattern similar to the emblems for the Tokyo Games, and Someity, the Paralympics mascot bearing a pink checkered pattern, were chosen for the Games in a nationwide vote by Japanese elementary school children after going through strict screening.
   "You have to sow the seeds for flowers to bloom," Taniguchi said.