電動スケーター事故相次ぐ 「密」なく人気、ルール守らず―安全性課題
若者を中心に人気が広がる「電動キックスケーター」。新型コロナウイルス感染拡大が続く中、「密」を避ける移動手段としても注目を集める。道交法上は原付きバイクに分類され、車道を走らなければならないが、国は規制緩和に向け実証実験を実施。ただ、ルールを守らない利用者による事故が相次いでおり、安全性が課題だ。
経済産業省によると、電動スケーターのシェアリング事業者6社が同省の認定を受け、10月まで福島、長野、兵庫、福岡などの一部公道で実証実験を行っている。実験では時速15キロ以下の条件で、ヘルメットなしで自転車レーンも走行できる。
6社のうち、「mobby ride」(福岡市中央区)の事業責任者安宅秀一さんは「自転車に近い感覚」と訴えている。
一方、電動スケーターの事故は急増している。警視庁は昨年7月から統計を取り始め、同12月までに東京都内で3件の事故を確認。今年は、今月2日までに計39件の事故があった。
利用者のルール違反も目立つ。大阪市では5月、電動スケーターに乗った男が歩道にいた女性をはねて逃走し、道交法違反(ひき逃げ)容疑などで逮捕された。都内では6月、新宿区の女(23)が信号無視で交差点に進入して人身事故を起こし、警視庁は自動車運転処罰法違反(無免許危険運転致傷)容疑で書類送検した。
福岡県警によると、実証実験が行われている福岡市中央区では7月末までに、計18件の交通違反が確認されている。最も多いのは歩道通行(13件)で、違反者は「ヘルメットがなく、怖くなって歩道を通行した」などと話しているという。
交通経済研究所副主任研究員の永瀬雄一さんは電動スケーターについて、「新しい移動手段で、運転免許の教習でも教えておらず、交通ルールや規制の認知が追いついていない」と指摘。「利用者、(車などの)ドライバー、歩行者が決まったルールを認識し、安全性を確保していくことが重要だ」と話している。(2021/09/04-06:30)
Safety Concerns Surround Electric Kick Scooters in Japan
Electric kick scooters are becoming popular among young people in Japan, but safety issues pose a major issue for the new mode of transportation.
Single-rider scooters are seen as vehicles that enable users to avoid coming into close contact with others amid the novel coronavirus crisis.
The government is conducting experiments for easing regulations on electric kick scooters, which are classified as motorcycles with small engine displacement and must therefore run on roadways, with users needing to be licensed.
According to the industry ministry, the trials are being conducted on some public roads in prefectures including Fukushima, Nagano, Hyogo and Fukuoka through October by six ministry-approved operators of an electric kick scooter sharing system.
In the experiments, electric kick scooters are being allowed on bicycle lanes and riders are not required to wear helmets under the condition that the maximum speed is 15 kilometers per hour.
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