長野で土石流、３人心肺停止　各地で大雨被害

　西・東日本で続く記録的な大雨の影響で１５日、長野県で土石流に巻き込まれた３人が心肺停止となるなど、各地で土砂災害や河川の氾濫による被害が相次いだ。
　消防などによると１５日午前５時半ごろ、長野県岡谷市川岸東で民家の裏山が崩れ土石流が発生、住宅１棟に流入した。建物内にいた８人のうち５人が巻き込まれ、同県辰野町の巻渕友希さん（４１）、中学１年の春樹さん（１２）、小学２年生の尚煌君（７）の母子３人が心肺停止状態となった。他に巻き込まれた２人は軽傷で、残る３人は無事だった。
　長崎県西海市西彼町上岳郷の用水路では１４日夜、近くに住む北村ヤエさん（７３）と田崎文子さん（７０）が倒れているのが見つかり、２人はその場で死亡が確認された。消防によると、現場の用水路は水の勢いが増しており、県警は大雨との関連を視野に調べている。
　広島県廿日市市の宮島沖では１４日朝、通報を受けた海上保安庁の職員が漂流している人を発見。広島市内の６０代女性で、死亡が確認された。大雨被害との関連を調べている。同県東広島市志和町では田んぼの様子を見に行った８０代男性が行方不明となった。
　福岡県添田町落合では１５日未明、民家の裏山が崩れ、損壊した建物に女性（７５）が挟まれた。女性は下半身が土砂に埋まったが意識はあり、消防などが救助に当たった。佐賀県神埼市では１４日夕に土砂崩れが発生、住宅３棟が巻き込まれた。７０代男性が倒れた木材に足を挟まれけがをしたが、救助され命に別条はない。
　佐賀県武雄市など氾濫した六角川の流域では、冠水のため取り残された住民らの救助活動が続いた。
　１１日から続く大雨ではこれまで、長崎県雲仙市で起きた土砂崩れで女性１人が死亡、男女２人が行方不明となっている。熊本県人吉市では球磨川に流された男性１人の行方が分からなくなっている。（2021/08/15-18:00）

Three people are feared dead in a mudslide in Nagano Prefecture as heavy rain continued to lash a wide swath of western and eastern Japan on Sunday.
   The three are a woman in her 40s, a teenage man and a boy less than 10 years old, who were in a house in Okaya in the central prefecture when it was hit by the mudslide. In the house, two others were injured and three were safe.
   In Saikai, Nagasaki Prefecture, southwestern Japan, two women in their 70s were found dead in a swollen irrigation ditch.
   In Soeda in the southwestern prefecture of Fukuoka, rescue efforts were underway for a woman in her 70s who got trapped in mud that slammed into a house.
   A man in his 70s was injured in a mudslide in Kanzaki in neighboring Saga Prefecture.