2021.06.26 13:34Nation

広がる「稼ぎながら旅」 コロナ禍、宅配需要追い風―自由な働き方利点に

 運搬用のリュックとスマートフォン、自転車があれば働ける飲食宅配代行サービス。勤務時間や場所を自由に選べる利点を生かし、配達員として旅費を稼ぎながら旅を楽しむ人々がいる。コロナ禍の巣ごもり需要で宅配市場が急拡大し、収入を得やすくなったことも追い風となっている。
 札幌市の男性(38)は15日、原動機付き自転車で配達員をしながら全国を巡る旅に出た。会社員時代も副業で配達員をしており、「旅費を稼ぎながら知らない街に行ける。コロナ禍の今しかない」と思い付き退社。業者によって配達エリアがない都道府県もあるため、大手の「ウーバーイーツ」や「ウォルト」など4社を掛け持ちし、リュックやユニホームを着分けて配達をこなす。
 出発前にPCR検査で陰性を確認。ネットカフェなどに寝泊まりし、午前11時から午後10時まで配達する。1日の配達成果や訪れた街、名物の食べ物の写真などはSNSに投稿。「配達先が『ありがとう』と喜んでくれたり、旅先で出会った配達仲間で食事に行ったりもする」と魅力を語る。
 昨夏、日本一周を始めた佐藤怜さん(29)もそうした一人。以前、旅行中に足りなくなった交通費を配達収入で賄った経験があり、配達しながら全国を回ることを考えたという。貯金10万円を手に沖縄県から原付きで出発し、途中で自転車に切り替え九州や中国、関西など17府県を走破した。
 コロナ対策に余念はなく、配達中を含め、自転車をこぐ時は常時マスクを着用。人混みを避け、節約も兼ねて郊外の無料キャンプ場やゲストハウスに宿泊する。基本的に大都市などで半月働いて資金をため、残りの半月を旅と移動に充てるスタイルだが、気の赴くまま滞在日数や目的地を決め、観光や食事、人々との交流を楽しんでいる。
 「お金がない時すぐに働くことができ、旅との相性は抜群」と佐藤さん。日本一周後の目標は世界一周といい、「配達で稼ぎながら世界を旅できたら最高です」と声を弾ませた。(2021/06/26-13:34)

2021.06.26 13:34Nation

Delivery Jobs Attracting Travelers in Japan


Some people in Japan enjoy traveling while earning money by delivering food and drinks, a style made easier by delivery market growth reflecting stay-at-home demand amid the novel coronavirus epidemic.
   A 38-year-old man from Sapporo, the capital of Hokkaido, northernmost Japan, began his trip June 15. He plans to travel across the country by motorized bicycle while working as a deliverer.
   He had delivered food and other items as a side job when he was a corporate employee.
   "I can go to towns I don't know while earning money for the trip. The coronavirus crisis is a now-or-never chance," he said, explaining why he quit the company he worked for.
   He has registered with four delivery services, including Uber Eats and Wolt, as some do not cover certain prefectures. He changes uniforms and bags depending on the operator.

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