半導体企業、業績好調 デジタル化追い風、供給不足も―決算
半導体関連企業の業績が好調だ。世界的なデジタル化に伴って需要が拡大し、20日までに出そろった決算では最高益が相次いだ。一方、生産が追い付かず、内外の自動車メーカーでは調達に支障が生じて減産を強いられている。米国と中国の覇権争いも絡んで先行き不透明感も漂う。
半導体製造装置大手、東京エレクトロンの2021年3月期連結営業利益は前期比35.1%増の3206億円と過去最高を記録。河合利樹社長は「全てのアプリケーション(用途)で投資水準が一段と高まってきた」と指摘。22年3月期も最高益となる見込みだ。
車向け半導体大手ルネサスエレクトロニクスの20年12月期連結営業利益は前期比10.4倍の651億円で、直近の21年1~3月期は同時期として最高益となった。米中の景気回復で自動車生産が急速に盛り返しており、「作ったそばから消費される」(柴田英利社長)状況という。
新型コロナウイルス感染拡大に伴ってテレワークなどが普及し、データセンターや高速大容量規格「5G」向け需要が伸びる半面、車には必要な量が行き渡らない。自動車メーカーからは「慢性的に取り合いになる状況は続くのではないか」(鈴木俊宏スズキ社長)と嘆く声が上がる。
一方、米中摩擦が一部企業の業績に影を落としている。画像センサーなどを生産するソニーグループでは中国・華為技術(ファーウェイ)向けの出荷停止などで、21年3月期の半導体分野は営業減益となった。両国の対立は根深く、波乱要因となりそうだ。
世界の半導体市場について、英調査会社オムディアの南川明シニアディレクターは「脱炭素化の動きも需要拡大を促す」と指摘。脱炭素につながるとされる車の電動化や住宅・オフィスの高機能化で今年後半にさらに伸びると分析する。(2021/05/21-07:09)
Chip-Linked Biz in Japan Enjoying Brisk Earnings
Semiconductor-related businesses in Japan are enjoying robust earnings thanks to growth in demand associated with the global wave of digitalization.
Some logged record profits for their latest business years, while automakers in and outside the country are being forced to reduce vehicle output due to semiconductor shortages.
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