備蓄米放出で新制度=高騰受け、流通安定へ―農水省審議会
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農林水産省は31日、食料・農業・農村政策審議会(農水相の諮問機関)食糧部会を開き、政府備蓄米を放出する新たな制度を提示、了承された。昨年夏の「令和の米騒動」以降、業者間の調達競争を背景にコメ価格が高騰。将来買い戻す条件付きでの売り渡しを可能にし、流通の安定を図る。
備蓄米の活用は従来、凶作で生産量が落ち込んだ場合などに限定されていたが、流通の課題解消にも対応できるよう方針を転換した。
新たな仕組みは、コメの円滑な流通に支障が生じた場合、農水省の判断で放出を決定。1年以内に同等同量の国産米を買い戻す条件で売り渡す。
審議会では、委員から「価格や需給の調整は市場に任せるべきだが、やむを得ない」「行き過ぎた市場の変動を放置するのは健全ではない」など新制度を容認する声が上がった。
放出先は、コメの調達に苦戦している全国農業協同組合連合会(JA全農)など集荷業者を検討。農水省は今後、流通状況に応じて放出の時期や量などを見極める。
集荷業者と卸売業者との相対取引価格(玄米60キロ当たり)は、2024年産米が出回りからの平均値で2万3715円と前年産を大幅に上回った。月別では、24年12月が2万4665円と前年同月比で6割高く、最高値を更新。集荷競争の激化がコメの価格高騰につながっている。
政府備蓄米を巡っては、店頭で品薄となった昨夏に放出を求める声があったが、農水省はコメの需給や価格への影響を懸念し慎重姿勢を崩していなかった。
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