本塁打の時代に一石=走攻守で示した野球の魅力―イチローさん米野球殿堂入り
史上初の10年連続200安打、メジャー最多記録の年間262安打など、数々の偉業を達成してきたイチローさん。「プロ野球選手としての評価という意味では、比べるものはないほど。これが最初で最も大きいもので、最後のものになる」。米殿堂入りの意味と誇りをかみしめた。
米球界に与えた影響について、米野球殿堂博物館のジョシュ・ラウィッチ館長は「打率3割を打ち、30~40盗塁を記録し、強肩もある。あらゆる能力を持つ選手の価値を証明した」と語る。
2001年にマリナーズでメジャーデビュー。館長は「当時は誰もがホームランを打とうとしていた時期」と振り返る。1990年代後半にマグワイアとソーサの本塁打王争いが話題の中心に。01年にはボンズが73本塁打を放ち、マグワイアが更新したシーズン最多本塁打記録をさらに塗り替えた。
派手なアーチに関心が寄せられた時代に登場したイチローさんは、そうした潮流に一石を投じた存在だった。巧みなバットコントロールで野手の間に打球を飛ばし、俊足を生かし内野安打や盗塁を積み重ねた。守備も超一流。本塁打だけの選手にはない、野球が持つ魅力を走攻守で示した。
日本人野手のメジャー移籍の先駆け。海を渡った頃はその力量に懐疑的な見方もあった。メジャー1年目の27歳の時に米殿堂入りを想像できたかと聞かれたイチローさんは、「地球上の一人も想像していなかったでしょう」。
自らのスタイルを貫き、野球の本場でも敬意を払われてきた希代のヒットメーカーから影響を受けた後進は日本人に限らない。有資格1年目で、満票にわずか1票足りない圧倒的な形での選出は、いかに功績が偉大だったかを物語っている。 (クーパーズタウン時事)
[時事通信社]
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