日銀1月利上げ、織り込む市場=米新政権発足、波乱回避
トランプ米大統領就任を受けた21日の東京市場で、日銀が危惧した株価暴落など大きな波乱は起きなかった。市場では、日銀が23、24両日に開く金融政策決定会合での利上げを織り込む動きが進む。ただ、米新政権の経済政策を巡る不透明感は根強く、日銀は会合ぎりぎりまで状況を見極めて最終判断する。
「トランプ米大統領の就任演説など全部を見た上で、よく議論して判断したい」。日銀の氷見野良三副総裁は14日の記者会見で、トランプ大統領が就任直後に打ち出す政策で金融市場が混乱しなければ、昨年7月に続く追加利上げに踏み切る考えを示唆した。
21日の日経平均株価は、トランプ大統領がメキシコ、カナダに関税を課すことを検討するとの表明を受け、250円以上値下がりする場面があったものの、その後は底堅く推移。円相場への影響も限定的だった。
みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは「トランプ政権の『初動』確認後の市場は比較的冷静で、1月に追加利上げする最後のハードルをほぼクリアした」と指摘する。
ただ、日銀は「新政権が何を打ち出してくるか予測不可能」(幹部)と警戒している。利上げに向けた環境は整いつつあるが、日銀は24日まで市場の動向を注視する構えだ。
[時事通信社]
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