SNSで防災呼び掛け=地元大学生が動画製作―震災教訓、次世代へ・阪神大震災30年
阪神大震災の教訓を後世につなごうと、兵庫県がインスタグラムなどのSNSで防災を呼び掛けるショート動画を製作している。担うのは地元の大学生。被災経験のない世代が震災の記憶を形にして継承する試みだ。
参加するのは県内の大学に通う大学生11人。四つの班に分かれ、「災害と女性」「災害に備えた事前準備の重要性」などのテーマで動画編集に取り組む。
県の委託を受けて動画の企画に携わる一般社団法人の大浜明子さんは「今年は30年の節目。単なる防災啓発ではなく、震災を経験していない世代が当時の記憶を語り継ぐことにも意味がある」と話す。大学でジェンダー論を学ぶ参加者の金子みきさん(21)は「震災当時に埋もれていた社会問題を提起し、防災に生かすためには若者の視点も必要だ」と意義を語った。
神戸学院大4年の浜崎亮太さん(22)は2018年の大阪北部地震で被災した経験があり、参加を決めた。所属する班のテーマは「共助」。阪神大震災では、救助された人の約8割が地域住民の共助によるものだった。当時の画像などを活用し、動画で地域交流の大切さを訴える。「隣人とのつながりや地域の密着度の高さが重要」と浜崎さんは語る。
ただ、動画作りには難しさもある。再生回数を稼ぐ内容に仕立てれば風化防止につながるが、「震災というデリケートなテーマで、軽い気持ちで製作してはいけない。ただ、堅い内容だと見てもらえない」と試行錯誤する日々だ。
動画の完成は2月ごろで、県のホームページで公開されるほか、9月に県と海外の自治体などが災害について意見交換する「創造的復興サミット」で放映される予定。
17日に神戸市中央区の東遊園地で開かれた追悼式典に参加した浜崎さんは「震災を経験していない語り部として、次世代に思いを語り継ぎたい」と話し、犠牲者に黙とうをささげた。
[時事通信社]
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