岩本容疑者、複数疑惑に関与か=給与二重払い、工事費還流も―「金銭に強い執着」・東京女子医大第三者委
「金銭やもうけに強い執着心を持っていた」―。東京女子医大が昨年8月に公表した第三者委員会の報告書は、元理事長岩本絹子容疑者(78)を巡る複数の不透明な資金の流れを詳述。経営のブラックボックス化を浮き彫りにした。
警視庁は昨年3月、同大同窓会組織「至誠会」から勤務実態のない元職員の女性(52)に給与計約2000万円が支払われたとして、一般社団法人法の特別背任容疑で同大を家宅捜索した。これを受け、同4月に第三者委が設置された。
報告書は岩本容疑者に近い元職員と至誠会元事務局長の男性(56)に対し、同大側と至誠会から給与の「二重払い」があったと認定。岩本容疑者は双方で実権を掌握しており、過大な報酬の支払いに当たり、「ほかの理事から手続きを見えにくくさせていた」とした。
報告書は、同大が発注した建設工事費計約33億円のうち、1億数千万円が元職員が実質管理する3社(いずれも解散)に還流したとされる疑惑にも言及した。3社の代表だった女性が、岩本容疑者の産婦人科医院の事務員だったことなどを踏まえ、「一連の還流に岩本容疑者が全く関与していなかったとはにわかに認め難い」と指摘。同容疑者は第三者委の調査に「知らない」と説明したが、「仮に知らなかったとしても重大な管理責任が認められる」と非難した。
報告書は、教職員の人件費を据え置いたまま、自らの報酬を引き上げるといった岩本容疑者の経営手法についても「通常の感覚を持った経営者であればできない」と指弾。2014年に副理事長になった直後から「資金の不正支出・利益相反行為の疑義を生ぜしめる行為に手を染めていた」とし、女子医大を巡る一連の問題の要因が「同容疑者の異論を敵視し排除する姿勢にあることは明らか」と結論付けていた。
[時事通信社]
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