2025-01-13 20:15スポーツ

気力振り絞り、正攻法で=照ノ富士「自分の全てを」―大相撲初場所

照ノ富士(左)は隆の勝を寄り切りで下す=13日、東京・両国国技館
照ノ富士(左)は隆の勝を寄り切りで下す=13日、東京・両国国技館

 横綱としての強い覚悟があった。黒星発進となった照ノ富士。「今場所やれることをやって駄目だったら、という思いがあった」。この日、母と妻子を館内に呼んでいた。悲壮な決意が胸の内にあったのかもしれない。
 隆の勝にもろ差しを許したが、構わず前に出る。左で上手を引き、じっくりと攻めて寄り切った。幕内の本割で過去7勝5敗。優勝した昨年の名古屋場所では14日目に不覚を取り、決定戦で借りを返した相手だ。「一つ自信になる」。手応えを口にした。
 初日は若隆景の右腕をいきなりたぐろうとして墓穴を掘り、「変なことを考えて悔いが残っていた」と振り返る。だからこそ、「自分の全てを出し切ってやりたい。後先を考えずやりたいと思った」。並外れた精神力。攻めあぐねても、信念が揺らぐことはなかった。
 両膝の痛みや持病の糖尿病などで全休が続き、3場所ぶりに復帰した今場所。万全ではない中、一人横綱の責任感から土俵に上がることを決めた。「その日、その日でやれることをやる。そのことに変わりはない」。気力を振り絞り、場所を引き締めるつもりだ。 
[時事通信社]

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