トランプ氏就任前、米欧団結訴え=バイデン政権790億円供与―独でウクライナ支援会議
【ベルリン時事】ロシアの侵攻を受けるウクライナを支える米欧諸国は9日、ドイツ南西部ラムシュタイン米空軍基地で、国防相級の軍事支援会議を開いた。これまで支援をけん引する米国のオースティン国防長官が主宰し、戦況に合わせて供与する兵器や物資を調整してきたが、20日のトランプ次期米大統領の就任に伴い、今後は同じ形式での開催は不透明になる。ウクライナ支援に関しバイデン政権下で米欧の団結を確認する最後の会議となった。
オースティン氏は、対空ミサイルやF16戦闘機の関連機器を含む5億ドル(約788億円)相当の追加供与を発表した。その上で「プーチン(ロシア大統領)による戦争は世界中の自由な人々への挑戦であり、帝国主義的な野心を食い止めることはわれわれ全員の利益だ」と支援の意義を改めて強調。志半ばで退任することについて「この集会の議長を務めたことは人生最大の栄誉の一つだ」と感傷的に語った。
対面参加したウクライナのゼレンスキー大統領は「11日後に(トランプ政権が発足し)新たな章が始まる。その時、私たちは一層協力し、互いに信頼し合わなければならない」と結束を呼び掛けた。ピストリウス独国防相は、オースティン氏に対して「もしあなたの決断と指導力がなければ同じ成果は得られなかっただろう」と労をねぎらった。会議は25回目で、50カ国超が参加。2027年までの支援目標を話し合った。
[時事通信社]
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