絶対悪の核兵器廃絶を=木戸・被団協事務局長が講演―京都
ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の事務局長で、ノルウェーの首都オスロで開催された授賞式にも出席した木戸季市さん(84)が9日、龍谷大(京都市)で講演した。木戸さんは「核兵器は人間と共存できない絶対悪の兵器だ。核兵器の被害から人類を守るには廃絶こそが確かな道だ」と訴えた。
5歳の時に長崎で被爆し、顔と胸にやけどを負った木戸さんは「道路には死体がごろごろ転がっていた。生死を分けたのは運としか言いようがない」と振り返り、「生きていても肉体的にも精神的にも被害を受け続ける」と強調。「唯一の被爆国である日本が核兵器禁止条約に参加しないことは許し難い」と批判し、「核兵器が使われたら人類は滅びる。国が違っても互いに意見を出し合うことが大事。自然体で対話することが平和の出発点だ」と呼び掛けた。
講演終了後、取材に応じた木戸さんは「(ノーベル平和賞受賞で)人々の関心が高くなったと感じる」と評価。その上で、核兵器使用の危険性が増していると危機感を強め、改めて対話の重要性を訴えた。
[時事通信社]
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