2025-01-08 14:32国際

トランプ氏、GDP比5%主張=NATO加盟国の国防費負担―グリーンランド巡り軍事圧力も

 【ワシントン時事】トランプ次期米大統領は7日、南部フロリダ州で開いた記者会見で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の国防費について国内総生産(GDP)比で5%に引き上げるべきだと語った。現行目標の2%からの大幅な増額で、加盟国の警戒感が高まりそうだ。
 トランプ氏はロシアのウクライナ侵攻を念頭に「欧州は米国よりもはるかに影響を受けている。なぜわれわれが欧州よりも多大な金額を払うのか」と不満を表明。「全ての加盟国には余裕があり、2%ではなく5%であるべきだ」と述べた。
 NATO高官は2024年11月、加盟32カ国のうち23カ国が2%の目標を達成したと明らかにした。NATOの推計(同年時点)によれば、国防支出の割合が最も高いポーランドで4.12%の見込みで、米国(3.38%)を含め5%を超える加盟国はない。
 英紙フィナンシャル・タイムズは24年12月、トランプ氏の側近が欧州高官との会談で引き上げの意向を伝えたと報道。トランプ氏側がGDP比3.5%で妥協する可能性があるとも指摘している。
 防衛費を巡っては、日本政府は27年度にGDP比2%にする方針を決め、取り組みを進めている。トランプ氏がNATO加盟国に5%を要求する考えを打ち出したことで、日本側にもさらなる増額を迫る可能性がある。 
[時事通信社]

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