2025-01-08 12:40

核禁会議参加、石破首相言及せず=被団協と面会、平和賞に祝意

 石破茂首相は8日、ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中熙巳代表委員らと首相官邸で面会し、祝意を直接伝えた。3月の核兵器禁止条約締約国会議に日本としてオブザーバー参加するよう求める意見が出たが、首相から明確な返答はなかった。田中氏は首相に対し、再度の面会を求めた。
 被団協側は、唯一の戦争被爆国として核廃絶に向けてリーダーシップを発揮するよう要請。首相は核を保有する中国やロシア、北朝鮮の動向に言及し、「非常に厳しい国際情勢で、現状はやむを得ない」と核抑止の必要性を訴えた。「将来の『核なき世界』を目指すという思いは一緒だ」とも強調した。
 平和賞受賞については「極めて意義深い。皆さま方の長年の努力に心から敬意を表し、感謝を申し上げる」と語った。
 被団協側からは、被爆者に対する国家補償や長崎の「被爆体験者」救済なども要望したが、首相の回答はなかったという。面会後、田中氏は記者団に「被団協として収穫がある会見だったという受け止めではない」と不満を表明した。 
 首相が就任後、日本被団協幹部と面会するのは初めて。面会実現を働き掛けてきた公明党の斉藤鉄夫代表が同席した。
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集