2025-01-07 07:42

「根拠ない」と反論=日鉄提訴受け、全米鉄鋼労組会長

 【ニューヨーク時事】バイデン米大統領が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画の中止を命じたことに絡み、両社から提訴された全米鉄鋼労組(USW)のマッコール会長は6日、「根拠のない申し立てだ」と述べ、争う構えを示した。USWは時事通信の取材に対し、会長名の声明を寄せた。
 日鉄とUSスチールは6日、中止命令などの無効を求めてバイデン氏らを米国の裁判所に提訴したと発表。買収を妨害したなどとして、USWのマッコール氏と、USスチールの競合クリーブランド・クリフスおよびゴンカルベス最高経営責任者(CEO)に対する訴訟も提起した。
 USスチールは昨年5月、クリフスが誤情報を拡散し、買収計画を頓挫させようとしていると非難する声明を公表していた。クリフスはUSスチール買収に関心を示したが、金額面で折り合いがつかなかった。
 ゴンカルベス氏は6日に声明を出し、訴訟に関して「失敗をそらすため、非難合戦を続けている」と批判した。マッコール氏は声明で、バイデン氏の判断について「重要な米国の利益を守り、国家安全保障を保護するとともに、重要なサプライチェーン(供給網)を支える国内鉄鋼産業の維持に貢献した」と改めて評価した。ホワイトハウスのジャンピエール大統領報道官は同日、記者団に「訴訟については、コメントしない」と述べた。 
[時事通信社]

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