「平和な世界へ手携えて」=天皇陛下が新年の感想
天皇陛下は1日付で、新年の感想を宮内庁を通じて文書で公表された。今年は戦後80年の節目に当たり、「平和な世界を築いていくために、人々がお互いの違いを認め合い、共に手を携えて力を合わせていくことの大切さを感じます」とつづった。
陛下は、「終戦以来、人々のたゆみない努力により、今日のわが国の平和と繁栄が築き上げられた」とする一方で、現在も戦争や紛争により世界各地で多くの人の命が失われていることに「深い悲しみを覚えます」と述べた。
昨年は元日の能登半島地震をはじめ、災害や物価上昇などで多くの人にとって苦労が多い年だったと振り返り、「今年も、人々がお互いを思いやり、支え合いながら、さまざまな困難を乗り越えていくことができるよう願っています」と記した。
天皇、皇后両陛下は1日、皇居で新年祝賀の儀に臨む。2日は上皇ご夫妻、秋篠宮ご夫妻ら皇族方と共に新年一般参賀に出席する。
両陛下の今年の地方公務では、阪神・淡路大震災30年追悼式典出席のため今月、神戸市を訪問。長崎県での国民文化祭を含む四つの恒例行事に出席する予定。関係者によると、戦後80年に当たり、広島県や沖縄県などへの訪問も検討されている。
宮内庁の西村泰彦長官は「天皇陛下には、後世に正しく戦争の悲惨さを伝えていきたいというお気持ちがある」と話す。
秋篠宮家の長男悠仁さまは昨年、18歳の成年皇族となり、今春に高校を卒業し筑波大に進学する。同庁は成年式を高校卒業後の適切な時期に行うと説明。大学在学中は学業を優先しながら公務に臨む。
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