川重に「不正当然の風土」=裏金で調査結果、社長ら処分
川崎重工業は27日、海上自衛隊の潜水艦修理に絡む裏金捻出問題を受け、「本件不正を実行するのが当然という前例踏襲の組織風土」が背景にあったとする調査結果を公表した。橋本康彦社長ら役員7人が月額報酬の一部を返上するとともに、担当役員を退任させる処分も発表した。
橋本氏は同日、東京都内で記者会見し「大変申し訳なく、心からおわび申し上げます」と謝罪した。橋本氏は月額報酬の30%を来年1月から5カ月間、前社長の金花芳則会長は20%を3カ月間、それぞれ返上する。造船部門を担当する今村圭吾常務執行役員は責任を取り、来年3月末で退任する。
調査結果は、川重が委嘱した外部弁護士3人で構成する特別調査委員会がまとめた。不正は「遅くとも約40年前から」と認定。確認できた2023年度までの6年間で約17億円の架空取引を行って契約にない物品を購入したほか、捻出した裏金を隊員の接待や一部の隊員と従業員の私物購入に充てていた。
調査結果は不正の原因として、潜水艦修理部門の「コンプライアンス(法令順守)軽視」「事なかれ主義」も指摘した。同部門以外では、組織的な金品不正は判明していないという。
川重は調査結果を受け、同一部門で実施していた物品の発注や納品確認を分離するなどの措置を取った。橋本氏は「風通しのよい職場環境を整備する。不正があった時、うみを出した方がいいと思える仕掛けをつくる」と述べ、従業員の意識改革を進める考えを強調した。
[時事通信社]
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