利払い費増、膨らむ国債残高=歳出改革は道半ば―来年度予算
政府は2025年度一般会計予算案で、国の借金である国債の元本返済と利払い費を合わせた「国債費」に28兆2179億円を計上した。24年度当初の27兆90億円を上回り、5年連続で過去最大を更新。このうち利払い費は10兆5230億円と、00年度(決算ベース)以来、25年ぶりに10兆円規模に達した。「金利のある世界」が復活して財政運営が厳しさを増す中、社会保障費や防衛費も過去最大。歳出改革の取り組みは道半ばだ。
115兆円超の歳出総額に占める国債費の割合は25%に迫った。日銀の利上げに伴う長期金利の上昇を受け、国債利払い費の算出に使う想定金利を2.0%へ引き上げたためだ。「異次元の金融緩和」を背景に17~23年度予算は1.1%に据え置いていたが、2%台は当初ベースで13年ぶりだ。
普通国債残高は1128兆円に達する見込みで、今後も利払い負担が財政を圧迫する。財務省は長期金利が従来の想定より1%上がれば、33年度の利払い費はさらに8兆7000億円増えると試算。借金が借金を呼ぶ悪循環に拍車が掛かる恐れもある。
財源不足を補うための新規国債発行額は28兆6490億円と17年ぶりの低水準に収まり、石破茂首相は26日、「経済再生と財政健全化を両立するメリハリの利いた予算案だ」と自賛した。だが、物価高で消費税などの税収が押し上げられており、一時的に減っただけのように映る。
少数与党に転落した石破政権は予算成立に向けて野党の要求をのまざるを得ず、来年夏の参院選を控えて歳出圧力は一段と強まっている。25年度は物価高対策などに使途を限定した「特定予備費」をなくす一方、コロナ禍前は年5000億円程度にとどまっていた「一般予備費」を1兆円に据え置き、財政出動の余地を残した。歳出構造を「平時」に戻す財政健全化は遠のくばかりだ。
[時事通信社]
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