JAL機炎上・識者談話
◇相互確認機能せず
楠原利行・元運輸安全委員会統括航空事故調査官の話 海上保安庁の航空機内で、機長と副機長の相互確認が機能していなかったことが一番の原因だ。機長は「ナンバーワン」「C5」としか言わなかったが、副機長と共通認識を持つため、管制指示を全て口にすべきだった。基本動作の徹底が必要だ。管制官も、目視による状況把握を支援する目的で導入された監視モニターを使っていなかったのは問題だ。適切な運用がなぜされなかったのか、検証すべきだ。
◇証言と事実異なる
元日本航空機長で航空評論家の小林宏之さんの話 民間エアラインでは、離着陸時の11分間は「クリティカルイレブンミニッツ」と言い、安全に関する以外の会話はしないのがルールだが、公表された海上保安庁航空機の操縦室内の様子では、羽田航空基地からの無線連絡や余計な会話があった。管制官の指示を誤認した要因の一つではないか。機長は「離陸許可を得た」と話しているが、なぜ滑走路上に40秒間も停止していたのか疑問が残る。証言と事実関係がかなり異なっており、今後の調査が待たれる。
[時事通信社]
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