「道案内してやって」=小学生の田中将大、坂本勇人を指導―山崎三孝さん・プロ野球
プロ野球楽天を自由契約になった田中将大投手(36)が巨人に入団する。新天地でチームメートとなる坂本勇人内野手(36)は、兵庫県伊丹市の昆陽里小で同級生だった。6年生の時は坂本が投手、田中が捕手でバッテリーを組んだことも、よく知られている。それから四半世紀近く。縁あって来季から同じユニホームを着ることになった。小学生時代の2人を指導した山崎三孝さん(79)は「(巨人一筋の)勇人には、将大をうまく道案内してやってほしいですね」と願っている。
田中も坂本も、昆陽里小の児童でつくる少年野球の「昆陽里タイガース」に1年生から加入。それ以前に遊びに来ていた坂本のセンスの良さに、監督だった山崎さんは目を見張ったという。やがて坂本は遊撃手、田中は捕手に。それぞれ「天才肌と努力型でした」と山崎さん。「勇人は5を教えれば10ができるタイプ。将大はこつこつと一生懸命練習していました」
6年生になる前、本来のエースがけがをしたため坂本が主戦投手に。ところが、受ける田中となかなか呼吸が合わない。監督の山崎さんに田中が不満を漏らすこともあったという。坂本がサイン通りに投げてこないと。山崎さんは「性格が対照的でしたから」と述懐する。
その2人が10年後には球界を代表するような選手に成長。さらに10年以上が過ぎ、マウンドの田中を坂本が守備とバットで後押し―。そろって出場した2021年の東京五輪は別として、同じ球団でプレーするシーンが初めて実現しそうだ。
田中は13年に24勝無敗で前年から28連勝。単一、連続シーズンとも連勝のプロ野球記録だ。まずは、あと3勝で足踏み状態の日米通算200勝を狙う。坂本は現役最多の通算2415安打。節目の2500安打に近づいている。
山崎さんは田中に「210勝、215勝は超えてほしい」と期待。「今となっては、将大が動きやすいように勇人が助けてやるでしょう」。30代半ばになった2人を穏やかに見守っている。
[時事通信社]
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