ハイチのギャング、ブードゥー教徒200人超を拉致・虐殺 国連
【国連本部(米国)AFP=時事】カリブ海の島国ハイチで今月、ギャングのリーダー、ミカノール・オルテス容疑者の命令による「人狩り」が行われ、200人以上が殺害された。犠牲者の多くは高齢者で、家から引きずり出され、銃やなたで殺害された。国連(UN)が21日、明らかにした。≪写真は資料写真≫
犠牲者たちはブードゥー教に関与していたとされ、オルテス容疑者の息子を毒殺した疑いを掛けられていた。犠牲者の多くは「訓練所」に連行されて殺害された後、遺体を切断されたり焼かれたりした。
ある市民社会団体は事件当時、オルテス容疑者は息子の病気はブードゥー教徒によって引き起こされたと確信していると語っていた。
国連ハイチ統合事務所(BINUH)と国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は共同報告書で、オルテス容疑者が「12月6日夜、自身が率いるギャングの構成員約300人に対し、残忍な『人狩り』を行うよう命じた。構成員は(首都ポルトープランスの)約10地区に押し入り、犠牲者を家から無理やり引きずり出した」と指摘。
ギャング構成員はその後数日間、同地区に舞い戻ってはブードゥー教寺院から信者を拉致し、地元メディアに密告した人物を標的にし、逃げ出そうとした人々を虐殺した。
国連は、遺体の中には「ガソリンをかけられて焼かれたり、ばらばらにされて海に捨てられたものもある」と結論付けている。
報告書によれば、6日間で合わせて男性134人、女性73人が殺害された。
ブードゥー教は、アフリカ人奴隷によってハイチに持ち込まれ、今では同国文化の柱となっている。フランス植民地時代は禁止されていたが、2003年にようやく正式な宗教として認められた。
ブードゥー教はキリスト教カトリックを含む他の宗教の要素を取り入れている一方、歴史的に他の宗教から攻撃されてきた。【翻訳編集AFPBBNews】
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