企業献金、来年へ持ち越し=第三者機関、制度設計未定―政治改革3法案、24日成立
自民党の派閥裏金事件を受けた政治改革関連3法案は臨時国会会期末の24日、参院本会議で可決、成立する見通しだ。石破茂首相は「政治とカネ」を巡る問題の年内決着を掲げたが、最大の焦点となった企業・団体献金の扱いは与野党の隔たりが大きく、結論を年明け以降に持ち越した。法案に盛り込まれた第三者機関の国会設置も具体的な制度設計はこれからだ。
政治資金規正法再改正の議論で、立憲民主党など野党側が企業・団体献金禁止を主張したのに対し、自民は存続の立場を崩さなかった。23日の参院政治改革特別委員会でも、自民の法案提出者の小泉進次郎氏は「禁止より公開だ」と強調。立民の井坂信彦氏は「資金力に物を言わせ、政策決定をゆがめる」と訴え、真っ向から対立した。
衆院での法案採決に当たり、与野党は2025年3月末までに結論を出すことで合意した。企業・団体献金の取り扱い論議は今年1月召集の通常国会で本格化しており、1年間続くことになる。
自民内からは「『結論』には中間報告が含まれる」(幹部)との声も上がる。日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は23日、記者団に「抜け道のない企業・団体献金禁止法案を来年の通常国会に提出する」と言明。政治団体を対象外とする考え方の立民などにも賛同を呼び掛けた。
政治資金を監視する第三者機関設置を巡っては、衆院の採決段階で公明党と国民民主党の共同提出法案に自民や立民などが賛成し、参院へ送られた。公・国案では国会に「政治資金監視委員会」を設け、国会議員に関係する政治資金全般をチェック対象とする。
ただ、組織の具体的な体制や権限は今後の検討課題として積み残された。23日の参院特別委で公明の中川康洋氏は、「政治資金監視委員会」の機能について「収支報告書に不記載や虚偽記入がないか、実質的チェックを行うことを想定している」と説明し、「各党派の意見を受けながら考えたい」と述べた。
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