ハゼ研究に広がり=シーボルトの標本にも関心―上皇さま
91歳となった上皇さまはこの1年も週2回皇居に通い、週1回はお住まいの仙洞御所(東京都港区)で、皇太子時代から取り組むハゼの研究を続けられた。成魚だけでなく幼魚の分類や、幕末に来日した医師シーボルトが国内で採集した魚類標本にも関心を寄せ、研究は広がりを見せている。
研究を支える上皇職御用掛の林公義さん(77)によると、上皇さまが2022年から取り組んでいるのは、(1)1987年発行の「日本の淡水魚類」に発表した論文を基にしたチチブ類の分類や生態の再検証(2)80年に共著者と発表した6種と、その後に確認された4種を加えた日本産クモハゼ類10種の分類学的再検討―の2テーマ。今年10月に上皇后さまが大腿(だいたい)骨を骨折した際も、研究はこれまでと同じように続いた。
上皇さまは、ハゼの頭部にある「鼻管(びかん)」の形状など、分類形質の特徴が成長に伴い変化することがある点に着目。昨年完成した成魚対象のクモハゼ類10種を識別するための検索表が、幼魚の識別にも有効かという新たな検証を今年始めた。
また、研究を進める中で、ここ数年、シーボルトが国内で採集した魚類の標本にも興味を持ち、今年からその資料収集を開始した。上皇さまは92年、「日本の科学を育てた人々」と題し、米科学誌サイエンスに寄稿。その中で、日本が鎖国の時代に、欧州の進んだ科学をほとんど本だけから学んでいた状況を大きく変えたとして、シーボルトの功績に触れている。
林さんは「これまでのご研究が今も有効であるかということを絶えずおっしゃり、研究目標を決められている。これからも楽しんでお続けになれるよう、誠心誠意お支えしていきたい」と話す。
[時事通信社]
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