歓声から一転、落胆に=カイロス打ち上げの見学者―和歌山
「カイロス」2号機の発射場から約2キロ離れた和歌山県串本町の海水浴場に設けられた見学会場には18日、平日にもかかわらず約500人が集まった。ロケットが打ち上げられると大きな歓声が上がり喜びに包まれたが、その後に飛行中断措置が取られ、落胆の声に変わった。
会場では午前11時の打ち上げ時刻の1分前からカウントダウンが始まった。見学者らも声を合わせて「0」と叫んだ数秒後、「ゴー」というごう音が聞こえ、山並みの間から白いロケットが姿を見せた。一筋の白煙を残して空高く上っていく様子を見届けた見学者らは「おめでとう」と拍手。万歳三唱が行われ、涙をぬぐう人もいた。
打ち上げ直後に失敗した3月の初号機の時も来たという同県海南市の自営業藤原長徳さん(67)は、初めて目の当たりにする打ち上げの様子に「涙があふれるくらいの感動。小型だと聞いていたが、大きかった」と興奮気味。同県橋本市の小学生の兄(9)と弟(7)は「迫力があった。もう一回見たい」と笑顔を見せた。
打ち上げから20分ほどたち、余韻が残る中で見学者らが帰り支度をしていたところに、飛行中断措置を知らせるアナウンスが流れた。延期となった14日も見学に訪れていたという兵庫県伊丹市の小学5年の男児(11)は、「飛んでいく時、クルクルしていたから心配していた。残念」と肩を落とした。
[時事通信社]
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