逮捕なら憲法上「事故」扱いか=大統領「獄中統治」も可能―韓国
【ソウル時事】韓国の尹錫悦大統領による「非常戒厳」の宣言を巡り、尹氏に対する内乱容疑での捜査が本格化した。現職大統領が内乱容疑で捜査を受けるのは韓国史上初。逮捕されればこれも初めてとなり、その場合、首相が職務を代行できると憲法が定める「事故」に当たるかが注目されている。
内乱罪は在職中の大統領が訴追を免れる「不訴追特権」の例外で、検察と警察、政府高官らの不正を捜査する「高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)」の3機関が捜査を急いでいる。公捜庁トップは11日の国会審議で「状況が整えば、緊急逮捕または令状による逮捕を試みる」と明言した。
憲法71条は「大統領が欠位や事故によって職務を遂行できない場合」は首相、閣僚の順に代行できると規定する。西江大法科大学院の林智奉教授によると、「欠位」は大統領が死亡したり、弾劾で罷免されたりして復帰できない場合を指し、逮捕で職務を遂行できなくなるのは「事故」と位置付けられるとみられる。
ただ、「事故」に該当すると判断するのがどの機関か、憲法は定めていない。林氏は「まずは大統領が判断することになる」と指摘。そのため「拘束され拘置所に行っても職務はできると主張し、獄中で大統領職を遂行することも可能だ」と説明する。
捜査機関が容疑者を拘束するには、裁判所から逮捕状の発付を受けるのが原則だが、内乱罪に関しては緊急性があれば令状なしの緊急逮捕が認められる。その場合も48時間以内に裁判所へ逮捕状を請求する必要がある。
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