再エネ、40年度最大電源に=原発2割、基本計画見直し大詰め
国の中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」見直しの議論が、大詰めを迎えている。政府は2040年度の電源構成を新たに盛り込んだ素案を年内にまとめる方針。脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーが最大の割合となる見通しで、原発は30年度目標と同水準の約2割とする方向で検討が進んでいる。
23年度の電源構成は、7割弱を液化天然ガス(LNG)などの火力発電が占め、再エネが22.9%、原発が8.5%。今後、データセンターの新増設などに伴い電力需要の急増が予想されており、エネルギーの安定供給と二酸化炭素(CO2)排出削減の両立が急務となっている。
ただ、次世代の脱炭素技術として期待される軽量の「ペロブスカイト太陽電池」や水素燃料の普及には不確定要素が多い。このため、技術革新の進展に応じた複数のシナリオを想定し、再エネ目標などは幅を持たせて設定する見込みだ。
計画では、原発の建て替えを推進する方針も打ち出す。廃炉が決まった原発と同一敷地内での建て替えは現在も認められているが、これを他の原発敷地内でも容認する方向。老朽化した原発の将来の廃炉を見据え、より柔軟な立地を可能にし、全体の設備容量を維持する狙いがある。
東京電力福島第1原発事故を踏まえ、これまでの計画では「可能な限り原発依存度を低減する」との文言を堅持した。政府が原発の「最大限活用」にかじを切る中、文言を削除するかどうかも焦点となる。
[時事通信社]
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