米雇用、底堅さ維持=利下げペース緩和検討も―FRB
【ワシントン時事】6日発表された11月の米雇用統計では、非農業部門の就業者数が急回復した。前月の低い伸びは大型ハリケーンとストライキの影響によるもので、労働市場は底堅さを保っていることが確認された。強い景気や停滞気味なインフレ鈍化を踏まえ、連邦準備制度理事会(FRB)高官らは利下げペースの緩和を視野に入れつつある。
11月の就業者数は22万7000人増と、伸びは前月の3万6000人増から大きく拡大した。2カ月を平均すれば約13万人増とまずまずな水準となった。ひと頃の過熱感は薄れ、労働市場は「極めて健全」(FRB高官)であることが改めて示された。
想定通りだった就業者数の回復を受け、市場ではFRBが今月17、18両日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25%引き下げ、3会合連続の利下げに踏み切るとの観測が強まっている。
一方、FRB高官らは会合で、追加利下げの是非を慎重に判断する構えだ。変動の激しいエネルギーや食品価格を除いたコアインフレ率が3%付近と、目標の2%を上回って推移する一方、旺盛な個人消費にけん引され、成長が予想よりも強いことが背景にある。
利下げが行き過ぎれば、景気が過熱し、インフレを再燃させかねない。FRB高官からは「利下げペース鈍化が妥当な地点か、その近くにいる」(クリーブランド連邦準備銀行のハマック総裁)と、利下げ見送りも選択肢にあることをうかがわせる声が上がる。
パウエル議長は4日の対談イベントで、「米経済は非常に良い状況にある」と強調。金融政策運営を「もう少し慎重に行うことが可能だ」と述べ、今後の利下げペース調整に含みを持たせた。
[時事通信社]
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