2024-12-06 17:09スポーツ

西武、貧打で泥沼に=シーズン91敗の屈辱―プロ野球2024

楽天戦で戦況を見詰める西武の渡辺監督代行(肩書は当時)=8月2日、ベルーナドーム
楽天戦で戦況を見詰める西武の渡辺監督代行(肩書は当時)=8月2日、ベルーナドーム

 49勝91敗3分け。かつての常勝球団、西武が屈辱的な成績で最下位に沈んだ。チーム打率はパ・リーグ歴代最低を更新する2割1分2厘。深刻な打撃不振で泥沼にはまった。
 交流戦前に松井監督が休養に追い込まれ、渡辺ゼネラルマネジャー(GM)が「プロ野球人生を懸ける」と誓って監督代行に就任した。思い描いたのは監督だった2011年の再現。大きく負け越した前半戦から巻き返してAクラスに食い込んだ。しかし、今回の状況はより厳しかった。シーズン途中のトレードで巨人から松原、ソフトバンクから野村大を獲得するなど編成のトップとしても打てる手は打ったが、効果は出なかった。
 強力な投手陣を擁し、目指したのは守り勝つ野球。それでもあまりに貧弱な打線が計画を狂わせた。近年、フリーエージェント(FA)で打線の核を担った選手が次々と退団。主砲の山川が昨オフにソフトバンクへ移籍したことは、特に痛恨だった。だが、チーム関係者の一人は「主力の流出だけが問題ではない。若手を育てられなかったツケが回ってきた」。球界でも定評があった育成システムが機能しなくなってきたことも、惨敗の一因となった。
 シーズン終盤に中軸を任された27歳の内野手、佐藤龍は「次世代の中心人物が出ていない。そこに僕が入り込まないと」と自覚する。現状、大きな戦力補強はなく、やはり求められるのは選手個々の成長。一人一人が殻を破らなければ、打開の糸口は見いだせない。「再建元年」を託された西口新監督は、貧打解消という避けて通れない課題と向き合っていく。 
[時事通信社]

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