V奪回期す阪神・藤川新監督=独自の色も存分に―プロ野球2024
来季は球団創設90年。節目を迎える阪神は昨季日本一に導いた岡田彰布氏が監督を退き、藤川球児氏が後任に就いた。2位からの巻き返しを期し、「OBの方々が89年間残してきた思いをつなぎ、面白いと言われるチームをつくりたい」と意気込む。
10月15日の就任会見では理想のリーダー像に岡田氏を挙げた。目指す野球は「3点ほど取ったらゲームをきっちり終わらせる安定の野球。そこは一番ベースにある」。投手中心の守りの野球を目指した岡田氏と同じく、堅実な野球を思い描く。
さらに来年の春季キャンプのテーマに掲げたのは「凡事徹底」。岡田氏も「当たり前のことを当たり前にやる」ことをナインに求めた。藤川監督は「荒ぶった状態でグラウンドに出る。冷めてしまうような組織をつくるわけにはいかない」と厳しい一面ものぞかせる。
独自の色も示した。就任直後の秋季練習では選手と積極的にコミュニケーションを取る姿があった。助言をコーチに託すことの多かった岡田監督の2年間では、あまり見られなかった光景。「まず選手が何を考えているのかを分かる必要があるし、分かってもらう必要もある」。また、来季はヘッドコーチを置かず、各部門にチーフコーチを配置。コーチに主体性を持たせ、その意見を吸い上げて決断を下すつもりだ。
熱狂的なファンを多く抱える阪神。結果が出なければ厳しい批判を受ける可能性もあるが、「全然平気。それを経験しているし、(勝つことで)それがなくなった経験もある。結局は一過性のもの」と意に介さない。強い意志を持つ新指揮官のタクトに大きな注目が集まりそうだ。
[時事通信社]
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