徳山昌守さんがジム開設=引退から17年で恩返し―ボクシング
世界ボクシング評議会(WBC)スーパーフライ級元チャンピオンの徳山昌守さん(50)が、大阪府東大阪市に「徳山ボクシングジム」を2日、開設した。2007年の現役引退から、17年の時を経て、「ボクシング界に恩返ししたいと思っていた」という気持ちを形にし、走りだした。
引退後は大阪市内で焼き肉店を経営した。「引退してすぐジムをやれば、ボクシングしか知らない男になる。いろいろなことに挑戦してからと思っていた」と当時を振り返る。後進の指導への情熱は持ったまま、じっくりと機会を待った。4年ほど前からはアマチュア選手の指導もしながら、昨年4月にジム開設を決心して物件を探し始めた。
来春をめどにプロ加盟を考えているが、「フィットネスも大歓迎だし、キッズにも力を入れたい」。門戸を広げる中でも、自身のような名王者を育てることを期待されているのは分かっている。「井上尚弥、井岡一翔、中谷潤人のような本格的なチャンピオンを育てたい」と、明確に目標を掲げる。
指導の原点は「打たせずに打つボクシング」。そこには選手に対する強い思いが込められている。「僕らの時代は死んでもいいからベルトを取りにいく覚悟でやっていたが、教える立場に変わり、待っている人のところに五体満足で送り届けるのが仕事」と言葉に力を込める。高い技術を誇り、世界王座を通算9度防衛した徳山さん流の恩返しが始まった。
[時事通信社]
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