立民、存在感発揮に苦慮=野党結束見通せず
先の衆院選で躍進したはずの立憲民主党が存在感の発揮に苦慮している。国民民主党が与党との政策協議を重ね、持論の「103万円の壁」見直しを確約させたのに対し、国会審議を通じて予算案や法案の修正を与党に迫るのが基本戦略のためだ。28日召集の臨時国会に照準を合わせているが、野党の結束も見通せない。「部分連合」で脚光を浴びる国民民主と比べて埋没気味だ。
立民、日本維新の会、国民民主の野党3党は21日、政調会長らが会談した。立民が党独自の経済対策などを説明して協力を求めたが、両党とも持ち帰った。自民、公明、国民民主3党が総合経済対策で合意したことに対抗するための野党連携を示すことはできなかった。
衆院選で少数与党に陥った石破政権は主要野党に政策協議を呼び掛けたが、立民は応じなかった。野田佳彦代表が「熟議と公開」を原則に掲げ、国会論戦を通じた政策実現を重視しているためだ。野田氏は「国民に見える形で丁寧な議論を行い、(政策が)煮詰まっていく。新しい国会を思い描いている」と訴えている。
事前協議の拒否は、来年夏に参院選を控え、与党との対決姿勢を鮮明にする狙いもある。立民幹部は国民民主を念頭に、「事前協議をして、与党に取り込まれるわけにはいかない」と説明した。
立民は臨時国会で、野党の「盟主」として野党各党を糾合できるかが問われる。ただ、国民民主は今後も与党との政策協議を続ける方針で、展望は不透明だ。国民民主幹部は「野党間で協議するならば本気でやってほしい。今のままなら立民のパフォーマンスだ」と冷ややかに語った。
[時事通信社]
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