「脳改革」で芽吹く力=20歳大藤、伊藤を撃破―卓球ファイナルズ
芽吹く力には勢いがある。女子シングルスで20歳の大藤が、世界と渡り合ってきた伊藤を打ち破った。「1年前には想像できなかった。楽しい気持ちでできている」。無邪気に喜ぶ姿から、充実感が漂った。
回転量に変化をつけたサービスに加え、バックハンドが利いた。最後の第4ゲームは11―11から伊藤のフォア側を抜いて勝利を決定付ける力技。「女子でバックを強く振れる選手は少ない。そこが(自分の)魅力」と胸を張る。
急成長の源は「脳改革」にある。昨年10月から男子選手も指導する坂本コーチに師事。細かいミスを気にする完璧主義から、失点をしたときも「これもいい勉強」という思考に変えた。すると思い切りの良さが生まれ、好プレーも失敗も成長の糧になる好循環。今年10月の国際大会では伊藤、平野、張本美を軒並み破って制した。
春先に3桁だった世界ランキングは、今や8位と急上昇した。目標のトップ5入りは、五輪出場も見えてくる数字。強敵撃破に「五輪を狙う上で勝たないといけない相手なのでうれしい。金メダルを目指したい」。突き上げる若い力は、女子卓球界全体の刺激にもなる。
[時事通信社]
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