早田、変革へ再始動=初戦黒星にも笑顔―卓球ファイナルズ
ほっとしたような笑顔は、再スタートを切れた実感か。早田にとっては、左腕を痛めたパリ五輪以来となる3カ月ぶりのコート。女子シングルスの初戦で姿を消したが、「きょうの負けに悔いはない。プレーできてよかった」とうなずいた。
万全には遠かった。体全体のしなり、試合勘ともに不足。長い腕から繰り出す得意のフォアも定まらない。ただ、改良に着手したバックハンドを含め、「今まで練習してきたこと、違う自分を出せた」。今だからこそできるミスに価値を求めた。
個人で銅メダル、団体で銀に輝いたパリ五輪では故障とも闘った。帰国後は静養する一方、頭はフル回転。新しい技術や戦術の研究に努めた。「自立というか、自分の力で乗り越えて殻を破る」と決意し、中学時代から指導を受けてきた石田コーチからも巣立った。
五輪後に「金メダルを取るには、まだまだ甘いとも感じた」と振り返った24歳。大きな変化を求める理由は「新たな自分で、4年後に本物になれるように」。この黒星から、再び世界の頂点を目指す戦いが始まる。
[時事通信社]
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