銅線買い取り店を一斉捜索=タイ人窃盗団が盗品持ち込み―警視庁
太陽光発電所の銅線ケーブルを狙うタイ人窃盗団が摘発された事件で、警視庁捜査3課は18日、盗品等有償譲り受け容疑で、ケーブルの売却先だった栃木、茨城両県の金属買い取り店4店を家宅捜索した。同課は、盗品と知りながらケーブルを買い取った疑いがあるとみて調べる。
同課は10月までに、群馬県嬬恋村と東京都日の出町の太陽光発電所で銅線ケーブルを盗んだとして、タイ人窃盗団のメンバー7人を逮捕した。
同課によると、窃盗団は1都7県で100件以上の銅線窃盗に関与し、そのほとんどを4店舗に売却。2~6月に少なくとも80回持ち込み、計約4600万円を得たとみられる。
メンバーの一人は4店舗について、「盗品と知りながら買い取ってくれた」という趣旨の供述をしているという。
古物営業法は切断された銅線ケーブルについて、取引相手の身分証明書の確認や取引記録の保存を買い取り店に義務付けていない。そのため、盗品と知りながら身分確認をせずに買い取る業者もいるとみられ、捜査幹部は「法の網を擦り抜ける悪質な業者をなくさなければならない」と話す。
銅は新型コロナ禍での生産低下やロシアのウクライナ侵攻の影響で供給量が減り、価格が高騰している。これを背景に、太陽光発電所から銅線ケーブルなどが盗まれる事件が関東を中心に急増。警察庁によると、昨年の被害は5361件だったが、今年は上半期だけで4161件に上った。検挙人員に占める外国人の割合はいずれも6割を超えるという。
[時事通信社]
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