兵庫知事に斎藤氏再選=失職から返り咲き―新人6人破り、混戦制す
斎藤元彦前知事(47)の失職に伴う兵庫県知事選は17日投開票され、斎藤氏が前同県尼崎市長の稲村和美氏(52)ら新人6人を破り、再選を果たした。パワハラ疑惑などを巡る告発文書問題で混乱した県政の立て直しが争点だったが、県民は斎藤氏の続投を選択。今後は県政に対する信頼回復や議会との関係修復が大きな課題となる。投票率は55.65%で、前回の41.10%から大幅に伸びた。
斎藤氏は記者団に「躍動する兵庫の歩みはこれからがスタートだ。批判を真摯(しんし)に受け止め、県職員との関係を再スタートし、政策を前に進める」と強調した。
斎藤氏は9月、県議会からの不信任決議を受けて失職を選び、再選出馬を表明した。政党など組織的な支援がない中、インターネットでの発信を強化。改革の継続や若者への支援拡充を訴えた。
一方、稲村氏は、県政刷新を呼び掛け、ハラスメント防止条例の制定や公益通報制度の見直しを主張。一部の自民党、立憲民主党の県議らが支援に回ったが、及ばなかった。日本維新の会を離党し無所属で出馬した前参院議員の清水貴之氏(50)らも支持が広がらなかった。
斎藤氏再選を受け、不信任決議を全会一致で可決した県議会の各会派がどのような態度で斎藤県政に臨むかが焦点となる。関係修復は容易ではなく、知事と議会との対立が続けば、予算編成や県政運営に支障が出る可能性が高く、混乱がさらに続くことが懸念される。
[時事通信社]
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