マスク氏、財務長官人事に「介入」=ラトニック氏支持を公言―トランプ次期米政権
【ワシントン時事】トランプ次期米政権の財務長官人事を巡り、実業家のイーロン・マスク氏が16日、X(旧ツイッター)の投稿で、有力候補とされる米投資銀行キャンター・フィッツジェラルドのハワード・ラトニック会長兼最高経営責任者(CEO)への支持を公言した。マスク氏の影響力は高まっているとはいえ、トランプ氏がまだ検討しているさなかの「介入」と受け止められかねず、波紋を広げそうだ。
米メディアによると、政権移行チーム共同議長を務めるラトニック氏と、投資ファンド経営者のスコット・ベッセント氏が、経済・財政政策運営の要となる財務長官の座を激しく争っている。ベッセント氏が最有力視されていたが、ラトニック氏がトランプ氏に直接頼み込むなど、巻き返しを図っているという。
マスク氏はXで、「ベッセント氏は平時の選択だが、ラトニック氏は変化をもたらす」と主張。「平時とは米国を破綻させることだ。いずれにせよ変化が必要だ」と訴えた。マスク氏の投稿は、財務長官人事を巡るトランプ陣営内の「泥仕合を表面化させた」(米紙ウォール・ストリート・ジャーナル)格好だ。
マスク氏は巨額献金など選挙戦への協力を通じてトランプ氏に急接近。南部フロリダ州にあるトランプ氏の邸宅「マールアラーゴ」に入り浸り、次期政権の「目玉」人事として、行政効率化と歳出削減を図る「政府効率化省」のトップにも指名された。
一方、米紙ワシントン・ポストによれば、トランプ氏支持者の一部はマスク氏の影響力拡大にいら立っている。ある関係者は同紙に対し、マスク氏の投稿について、「共同大統領」のように振る舞っており、陣営内での役割を逸脱した可能性が示されたと批判した。
[時事通信社]
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