2024-11-16 14:01社会

闇バイトの「脱却支援」強化=避難費用助成、自宅警戒も―「脅迫恐れず相談を」・警察当局

警視庁本部庁舎(手前)と警察庁などが入る中央合同庁舎第2号館
警視庁本部庁舎(手前)と警察庁などが入る中央合同庁舎第2号館

 首都圏などで強盗が相次ぐ中、闇バイトに応募したものの、抜け出したいと望む若者らへの支援に警察当局が力を入れている。その一つが指示役らに報復をさせないための保護措置だ。一時避難先の紹介や費用の助成、自宅周辺の警戒などさまざまな手法がある。警察庁は「あなたやあなたの家族を確実に保護します」と訴え、積極的な相談を呼び掛けている。
 闇バイトを巡っては、応募後に指示役らに身分証の画像などを送ってしまい、自分や家族に危害が加えられるのを恐れ、抜け出せなくなるケースが後を絶たない。
 警察庁によると、10月18日から11月7日に全国の警察が闇バイトの応募者らを保護したケースは46件に上る。10~20代が半数以上を占めるという。
 警察は本人の意向や切迫の度合いなどを踏まえ、保護措置の内容を決める。本人や家族に一時避難先のホテルを紹介したり、自宅周辺のパトロールを強化したりする。一時避難や転居が必要な場合、公費助成が受けられる制度もある。
 あらかじめ警察に相談内容や電話番号などを登録しておくことで、緊急時の110番ですぐに事情を把握し、安全を確保する仕組みもある。
 X(旧ツイッター)で高額収入をうたう闇バイトに応募した40代の男性は、連絡先や運転免許証の写真などを勧誘役に送付。その後、犯罪に加担したくないとの思いで連絡を絶つと、「自宅に行く。逃がさない」と携帯電話に留守電が入った。警視庁は男性に対し、自宅を出て一時避難するように助言。これまでに報復などは確認されていないという。
 警視庁幹部は「応募してしまった場合は、脅迫を恐れず、すぐ相談してほしい」と強調。警察相談専用電話「♯9110」の利用を呼び掛けている。 
[時事通信社]

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