牧、チーム救う一振り=流れ変えたムードメーカー―野球プレミア12
ムードメーカーの一振りが、劣勢だった試合の雰囲気を一変させた。2―3で迎えた五回。2死走者なしからの3四死球で走者をためると、打席には6番牧が入った。代わったばかりの投手に対し、積極的にバットを振る。1ボール1ストライクから、外角低めの難しいボールをバットの先で捉え、逆転の2点適時打を中前に運んだ。
一塁を回ったところで、沸き返るベンチに向かって右手を挙げる。「2死からのチャンスで何とか打つことができてよかった。気持ちで打った」。チームを救う値千金の一打だった。
代表戦だけでなく、DeNAでのレギュラーシーズンでもベンチの最前列から声を張り上げて味方を鼓舞するなど、ムードメーカーを地で行く好漢。4番の森下は「牧さんが打つとチームが乗る」と語っていた。七回には、その森下が2ランを放って韓国を突き放した。
日本のエース格とも言える先発の高橋宏がつかまり、7安打を浴びて4回2失点で降板するまさかの展開だった。中盤まで韓国のペースで進んでいた試合をひっくり返した牧の活躍に、井端監督は「4番を打てる選手だが、より多くチャンスが回る6番を打ってもらっている。期待通り」とたたえた。 (台北時事)
[時事通信社]
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